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バタバタと階段を降りると、目の前の女性が腰を抜かしていた。 慌てて助け起こすと、の前に問題の男がいる。 そう“男”がいた。 |
| 不思議の街のアリス |
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「だ、大丈夫ですか…?」 はとりあえずこれ以上被害を広めないよう女性を取り繕う事にした。 驚かれた張本人である神田は頭に疑問符でも浮かんでいそうなほど呆然としている。 恐らく、何故驚かれたかという事が理解できていないのだろう。 「こ、こ、この人!」 「も、申し訳御座いません。この人私の姉ですの」 「あ、姉…?」 「ちょっと男っぽいでしょう?ですけど女性ですからご安心を」 神田にスススと歩み寄ると、は神田の腕に自分の腕を絡ませて明らかに仲の良い姉妹ですよ、という事をアピールしてみせた。 女性はマジマジとを神田を比べた後、「はぁ…」と曖昧な返事を返す。 「ユウちゃん駄目じゃない。またそんな格好して…」 「っチ」 「(舌打ちすんな!笑え!)」 「てっ」 思いっきり神田の足を踏みつけるとは疑っている女性ににっこりと笑いかけてみせる。 神田は何とか痛みを堪えつつも、笑うという事はしなかったが無表情を努めた。 「驚かせてしまってごめんなさいね」 「いえ…私のほうこそごめんなさい、勘違いして…」 「いいのいいの。姉も悪かったんですから」 ギャラリーに集まっていた人々もようやく事が解決したと思ったのか散っていく。 はホッとしながらも神田の腕を引きながら階段をスタスタと登っていった。 女性は怪訝の様子のまま移動すると神田を見つめている。 誤魔化すように「ホホホ」と乾いた笑みを貼り付けたまま、は神田を引っ張って部屋へ連れて帰った。 ・ ・ ・ 「ユウちゃん、」 「その名前で呼ぶなっつてるだろうが」 「今はそれどころじゃないわよ!」 神田の腕を引いたまま投げるようにしてベッドに座らせる。 足を組んで座っている為だろうか。偉そうに見えた。 「あれほど気をつけてって言ったじゃない!」 「髪は結んでねぇ」 「髪は良くても服装が駄目だってば!」 ここの人間は皆スカートを好むのだろうか。 とにかくこの街でズボンを愛用している人間を見たことがまだ一度もない。 恐らくどんなに女性らしい人でも、この街でズボンを穿けば今日のように悲鳴を上げられるに違いない。 は「はぁ」と重たげに溜め息をついて、とりあえず自分が先に着替える事にした。 「部屋から出ないでね。来客があっても私が出るから。それから神田、」 「…?」 「昨日はごめんね」 独り言のように呟いて、はバスルームに入った。 ◇ 「はい。2人ともOK」 2人のファスナーを上まで上げて、服装を整えてからポンと背中を叩いた。 やはり2人は居心地が悪そうに身動ぎしたが、ラビは2日目という事もあって直ぐにそれはなくなったようだ。 「今日はなるべく3人で行動するから」 自分の服装を鏡の前で直してから振り返る。 六幻を見えないように袋にしまった神田が顔を顰めた。 問題なのは神田なので、特に神田からは目が離せない。 「とりあえず昨日聞いた女王様ってのに会ってみる?」 「けど謁見となると一般人じゃ無理なんじゃね?」 「そうかもしれないけどー…」 「森は?森に行くついでにハートの女王の事も聞いてみればいいんさ」 「…そうね。とりあえずそうしましょうか」 よし!と立ち上がったラビがさっさと部屋を出て行く。 後を追うように扉に手を掛けると、神田がの腕を引いた。 振り返り様に神田を見上げるとバツの悪そうな神田が立っている。 「昨日は…悪かった」 「へ…?」 「怒鳴るつもりはなかった」 「あ…」 の脳裏に神田の言葉が甦る。 詮索するなと突き放されたが、確かに自分もいちいち五月蝿かったかもしれない。 はふるふると首を振ると神田の手を握った。 ぎくりとした神田だったが、が笑うと力が抜ける。 「今日は一人でどっかに行かないでね」 「…ああ」 手が振り払われなくて良かった。 ◇ 森へ続く道は既にリサーチ済みだった。 今日も相変わらず人通りが多いところを歩いていくついでに、道行く人に女王について尋ねる。 ところが。 「ねぇ、どう思う?」 「オレは疲れたさ」 「……」 ハートの女王についての詳細を尋ねると、皆揃って「知らない」と言った。 これには唖然とし、ラビはげんなりとして、神田は無反応だった。 ルールにもなっているハートの女王なのに、誰一人としてその詳細を知らない。 ただ分かったのは、首を刎ねるのが好きで、血に濡れたかのような真っ赤なドレスを着ているという事だけだった。 「謎ー…」 「ミステリアスな女って意味さ?」 「違うよ。ミステリアスどころかどんな人で何処にいるのか分からないと手掛かりにもならないじゃない…」 はぁ、と溜め息を零して建物の石段に座り込む。 膝の上に肘を置いて顎を乗せる。 道行く人々が目の前を通り過ぎてゆき、何だかここはとても平穏なんじゃないかと思う。 「こんな所で休憩なんてしてる場合じゃねぇだろ」 「けど手掛かりがなきゃどうにもならないじゃない…」 「まだ森があるぜ!な、!」 励まそうとラビがの肩を叩く。 横目でを見ていた神田はフンと鼻を鳴らして寄り掛かっていた壁から体を離した。 そしての前を通り過ぎてスタスタと歩き始める。 「何処行くさー?」 「森に行くんだろ。さっさと行くぞ」 「ちょ、ユウちゃん!」 「誰がユウちゃんだ!」 歩き出した神田を追いかけてラビが神田をからかう。 いつまでもこうしていられない、とも立ち上がり後を追おうと足を踏み出したが、ふと人混みの向こうに何かを見つけて足を止めた。 「あ」 その呟きは人混みに紛れて消える。 と同時に、の中から音という音が全て遠ざかっていった。 今の世界は、自分と目が追っているそれしかないと言っても過言ではないくらいだ。 『それから兎を見つけても追いかけない』 遠くで女性の忠告が聞こえた。 これはレストランで相席をした女性のものだ。 『兎に角。時計を持った白兎を絶対に追いかけない事!気をつけてね』 人混みの向こうの路地に、例の白兎の姿を見つけてしまった。 ← † → やっと、アリスらしくなってきたかな?って感じですかね! アリスに登場するキャラクターを粗方見てきたんですけども、皆さんは誰がどのキャラに似ている〜とかありますかね? 私はぱ〜っと想像して各キャラをアリスのキャラに置き換えてみたんですけども。 その真相は次回以降明らかに! 2009/02/27 |