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《入城を許可します アレン・ウォーカーくん》 ごぉ、という地響きを立てて扉が開く。 と同時に再び刀を突きつけられ、アレンはまたしても壁に張り付く形となった。 |
| クロス・マリアンの弟子 |
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《待って待って神田くん》 「コムイか…どういうことだ」 《ごめんねー早トチリ!その子クロス元帥の弟子だった。ほら、謝ってリーバー班長》 《オレのせいみたいな言い方ーー!!》 リーバーはとんだとばっちりを受け抗議したが、コムイは我関せずの表情でリーバーのインカムを掴んでいる。 《ティムキャンピーが付いてるのが何よりの証拠だよ。彼はボクらの仲間だ》 そう言われるも、神田は未だ表情を変えず警戒を解く様子はない。 しばらく神田がアレンを睨み付けていると、神田の頭にぱこっ、と良い音を立ててバインダーが当てられた。 「もー。やめなさいって言ってるでしょ!早く入らないと門閉めちゃうわよ」 「「「………」」」 今までの緊迫していた空気が一挙にして崩れ去った。 現れたのはリナリーで、場にそぐわない雰囲気に叩かれた神田はともかく、アレンとモニター越しの2人までもが黙る。 「入んなさい!」 有無も言わさぬ様相に、2人は渋々と教団内に入っていくのであった。 ・ ・ ・ 「私は室長助手のリナリー。室長の所まで案内するわね」 「よろしく」 挨拶を終えると、今まで同じ場所に居た神田が踵を返して別方向へ歩き出した。 それに気が付いたアレンは、「あ、カンダ」と気軽に声をかける。 「……って名前でしたよね…?」 振り返った神田は警戒心剥きだしでアレンを見る。 足を止めているところをみると、悪い人間ではないのは分かる。 「よろしく」 アレンが握手を求めて手を差し出すが、神田は振り返った恰好のまま 「呪われてる奴と握手なんかするかよ」と言葉を残して行ってしまった。 差別だ、とアレンがワナワナ打ち震えていると、リナリーがフォローするように言葉を付け足す。 「ごめんね、任務から戻ったばかりで気が立ってるの」 普段もあんな様子だ、とは言えなかった。 ◇ 「神田!」 部屋へ戻る神田を呼び止めたのはだった。 足を止め、パタパタと駆けてくるを見やる。 「……何だ」 「あらら、機嫌悪いね。さっきの子の事?」 「うるせぇ」 とは言いつつも構ってくれるのは神田の優しさだ。 がくすと笑うと、神田が横目にの格好を眺めた。 視線が戻ってくると同時に、はピッと背筋を伸ばす。 「新しいエクソシストにお目通りしようと思って、団服に着替えたの」 襟をもう一度伸ばして、きちんとチャックを上まで閉める。 それを見ていた神田は、「はぁ」と溜め息を漏らして、スッとの髪に手を伸ばした。 はらり、と前髪が少し下りてきて、は神田を見つめる。 「前髪、乱れてんだよ」 「…有難う、神田」 フン、と鼻を鳴らしたが、これは照れている時の仕草。 嬉しくなって笑うと、神田が徐に口を開いた。 「アイツ、 「みたいだね。私も師匠とアレンって名前聞いて、これは是非お話してみたいなって思って」 「顔見知りか?」 「昔、ちょっとね」 意味深には笑みを作ると、「さて」と廊下の向こうへと視線を逃がした。 あまり、踏み入って欲しいことではないらしい。 「私行くね」 「……」 「任務から帰ったばっかで怪我してるんだから、ちゃんと休まないとダメだよ」 「それはお前も同じだろ?むしろ、回復しないお前の方が性質が悪い」 「む。神田だって、あんまり調子に乗ってると、思うように体が動かなくなるんだからね」 「……」 言い当てられたようで、けれどどこか的を得ていない言葉。 神田はしばらく無言でを見ていたが、そのまま視線を外してとは別方向へと歩き始めた。 そんな神田の背中に、は声を掛ける。 「言い忘れてたけど、―――お帰り、神田!」 神田が振り返る事はなかったが、むしろその反応の方がなんだか神田らしくて、は笑って背を向けた。 ◇ 「アレンくんってクロス元帥の所にいたのよね?」 しばらく教団内を歩きながら、リナリーはアレンに話しかける。 リナリーの言葉に、アレンは「はい」と答えた。 「実はこの教団内にも一人、クロス元帥の弟子だった人がいるのよ?」 「え…?そうなんですか…?」 それは初耳だ、と言わんばかりにアレンは目を見開いた。 クロスが自分以外にも弟子を持っていたということにも驚いたが、それ以前に。 「(その人も苦労したんだろうなぁ〜…師匠だし)」 「昨日任務が終わって帰ってきたばっかりだから、多分会えるわよ? さっきまで一緒に居たんだけど、気が付いたら何処かに行っちゃってて」 脳内で鬱々とクロスの事を思い出しているアレンに、リナリーが苦笑しながら言葉を次ぐ。 会える、という言葉に、アレンは期待を膨らませる。 「どんな方なんですか?」 「会った事も、聞いた事もないの?」 「ええ。師匠に弟子が居たって事も初めて知りましたし」 クロスと知り合って3年。 その時は確かに、クロスと自分以外の人間はいなかったはず。 記憶を巡らせていると、リナリーが続ける。 「っていう日本人の女の子よ」 という名前に、アレンの脳内である言葉が甦った。 あれは3ヶ月前の出来事。 “いいかアレン。もしって女に逢ったら伝えろ。“ハジメテ”はとって置け、とな。 それから、をキズモノにしないようきちんと見張っておけ。いいな” それがどういう意味なのかは良く分からないが、とにかく念を押されたのは 彼女が何者にも傷つけられぬようにという事。 「(いったいどんな人なんだろう)」 そんな事を考えているうちに、とうとうある部屋へと辿り着いたのであった。 ← † → ごめんね、相変わらずヒロイン出番が少ない(汗) 秘密の多いヒロインちゃんですが、ちゃんと後々色々明かしていくつもりなので宜しくお願いします。 2008/10/31 |