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「?」 ふと視界に影が出来る。 顔を上げれば…えと。 顔を上げたつもりが上げるだけではどうやら相手の顔は見えないようで。 見上げると言う表現が正しいだろうか。 あれだ、こんなに上を見上げるのは高層ビルとか星空を見るときくらいだと思う。 「……あ、の」 多分先輩なのだろう。 1年生にしては骨格がしっかり出来すぎていると言うか。 紫原くんだって物凄く大きいけど、多分まだ成長期だし。 (これ以上成長したらどうなるんだろう) 「お、岡村健一じゃ」 「…あ、はい。と申します。今日からよろしくお願いします。岡村、先輩?ですよね」 「お、おう。ワシは三年で、主将じゃい」 「!主将さんですか!」 なるほどこの人がキャプテンさんらしい。 改めてよろしくお願いしますと努めてにこりと微笑んでみる。 しかし主将さん、岡村先輩はじーっと先程から私の顔を見ていて。 見ていると言うよりは食い入るように見つめられている、ような。 わ、私変な顔してるかな?緊張して顔が引きつってるとか? こ、困った。どうしよう。 沈黙をどうしていいか分からず笑みをそのままに首を傾げてみる。 「くっ」 するとどうだろう。ようやく相手側に反応があった。 反応はあったのだが、岡村先輩は何故か呻くような声を上げて顔を反らしてしまった。 打ち震えているような。 失礼な態度を取ってしまっただろうか。 「ああ、気にしないで。多分こいつ可愛い女の子になんか感動してるだけっぽいから」 不意に第三者の声が割って入った。 明るい髪色が、岡村先輩の横からぬっと顔を出す。 「っ、福井貴様は!」 「事実だろー?彼女引いちゃうからそういうの露骨にやんないほうがいいと思うけど」 余計好感度下がると思うぜ、ああもう遅いかも。 なんてへらりと笑って主将を小突く。 その一言に岡村先輩はハッと我に返って私へと更に一歩詰め寄った。 あ、あまり近いと視界に収めるのが辛い。 「す、スマンかった!」 「え、あ、は、はい。大丈夫で…す?」 「ふっ、おもしれ」 先程の福井、と呼ばれていた彼が岡村先輩の隣で笑い始める。 正直私も何をどう返していいのか分からなかったとは言え、笑われるほどおかしな返答を述べただろうか。 ああなんか、恥ずかしい。 「ああ、ごめん。オレ福井健介。こいつと同じ三年です」 「あ、…」 「ちゃんでしょ?覚えたよ」 比較的このメンバーの中では身長は低い、と言うか。 いや、一般的に見れば多分平均的なのだろうが。 何というか、目線が合わせやすい。 私の顔を覗き込むように笑ってくれた福井先輩。 当たり障りのない感じが緊張を解していくようだ。 「ごめんねこいつ顔が怖いっしょ?ビビるよね、いきなりだと」 「や、そんなこと」 確かにいきなり目の前に現れた時には驚いたが、それは顔がとかそういうものではなかった。 否定はしたが、何処かハラハラと言うか私の返答にそわそわしている主将さんが面白くて。 思わずぷっと吹き出してしまう。 「あ、笑ったアル」 「わ!」 いつの間に隣に来たのだろうか。 いや、隣と言うよりは斜め後ろと言うか。 顔を後ろから覗き込まれての一言。 思わず飛び退いてしまった。 「劉、いきなりだと彼女もさすがに驚くだろうが」 「ごめんアル」 さっきの福井先輩とは違う、正面から顔を覗き込むのではなく後ろから、上から覗き込んできた彼。 岡村先輩より大きいようだ。 何だか、ここに居ると身長の平均的概念を忘れそうになる。 見上げる、と言うことが基本的なスペックになりそう。 「二年の劉偉アル」 「留学生、ですか?」 「うん。よろしくアル」 よろしくお願いしますとぺこりと頭を下げると、彼もじーっと私を見ていて。 岡村先輩も劉先輩も。 何かそんなに珍しいものでもあるのだろうか。 ああ、身長が低いから?いや、クラスにも女の子はいるだろうし。 正直そんなにじっと見られると恥ずかしいと言うか。 思わず身動ぎをして視線を逃がすと、彼は「なるほどアル」と呟いた。 「アゴリラの感覚も分かるアル」 「またアゴリラ…」 「ケツアゴリラのほうが良かったアルか?」 「やめい」 「ごめんね、こんなんで。マネージャーよろしく」 ポンポンと頭を撫でてくれたのは福井先輩で。 うん、何やら賑やかな部活のようで何よりだと思います。 |
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【あとがき】 ぶっちゃけ筆休めなうえ物凄い間章。 本編にそんなに必要でもないので、サイドストーリー的なのと一緒にまとめようかと思ったけど。 マネージャーをする上でこのくだりがないと今後の仲良さげな雰囲気に持って行けなかったので入れました。 その前に。監督もそうですけど、先輩たちのキャラが分かりません(爆) イメージと違ったら申し訳ない。ご指摘あればお待ちしております(汗) (※ちなみに劉さんのアル、既にここで定着させてしまいました。分かりやすいので) [2013/11/5] |